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FF14リテイナー→自機SSの…

FF14リテイナー→自機SSのようなしろもの 地の文かけなくなっちゃったよ〜



ミヴィオ(Mjvyo)
ヴィエラ男性/ヴィナ・ヴィエラ

旧き因習を厭い里を飛び出した(もとい、駆け落ち)両親の血を継いでいるからか、破天荒な面が目立つ。なお人情に厚いわりに口が粗野で捻くれているため、友人曰く損な性格。ちなみに捨て去ってしまった苗字は"Phiitehwesfv(ペィテウェスフ)"。リテイナーになった理由は「なんとなくだけど、何? 文句あるわけ?」だそう。面倒なら即辞する気概でいたが、なんだかんだ望外の仕事を気に入っている様子。四人のうち、いちばんの苦労人は彼かもしれない。


レフ・イェレナシュ(Lev Jelenasch)
ロスガル男性/ロスト

血縁こそないものの、指導者イェレナとは主従であり母子に近い関係でもあった。年老いた彼女の没後、心に吹き付ける寒風に震え失意に暮れながら傭兵業のかたわら流れ者として暫し生活していたが、道すがらリテイナーの求人を見かけて現在に至る。誰かの世話を焼くほうが性分に合うどころか落ち着くらしい。「生きがいみたいなものだな」とにこやかに語る明朗な性格。体を震わせて水分を飛ばしがちな件に関して、ミヴィオから苦情が届いている。冒険者がしっぽをお気に召してくれて面映さと複雑さ半分。


チュチュカ・チュカ(Chuchuca Chuca)
ララフェル女性/プレーンフォーク

元・深窓の令嬢。のびのびした性質の彼女にとって抑圧の籠でしかなかった生家から、かつて読んだ探偵小説の真似事をして夜な夜な逃げ延び、なぜかお払い箱になってしまった大好きな乳母のようになりたくてリテイナーに志願した。名がデューンフォークに則しているのは単にカモフラージュ目的で偽名を用いているため。本名は"ルニニ・ルニ(Runini Runi)"。すでに追手などは来ておらず、捜されてもいないようだ。「見限ってくれたみたいですね〜」とは当人の弁。

非常に勤勉でやる気に満ち溢れているが、なにぶん家事はからっきしだったのでドジが多い。

逃亡生活の長さを思い出すのか、冒険者に渡されたお弁当を鼻を鳴らしながら口に運んでいる姿や、歳相応の少女らしくツェツィリヌとともに男性リテイナーたちの髪をいじっている姿がときおり見受けられる。


ツェツィリヌ・ユノー(Zaciline Jonaux)
エレゼン女性/フォレスター

曰く「なんかさー、私がやりたいコトってコレじゃなくない?ってなったんだよね〜」

その言葉を最後にシャーレアン魔法大学卒業──間近でバックれた、自由闊達で底抜けに陽気なエレゼン娘。地頭の良さから入学を薦められ、賢学を中心に着々と学びを得たが、ある朝天啓を受けたように嵐神のごとく学び舎を去ったという。

現在は幼い頃にままごとの延長として勤しんだ「花嫁修業」に、リテイナー業を通してなぜか再び血道を上げている。街角では元より好んでいた化粧や服選びなどの自分磨きを謳歌している彼女の姿が目撃されるとか。また、彼女の自撮りに巻き込まれて心底嫌そうな顔をするミヴィオ、ノリノリなチュチュカとレフの様子も時折見受けられるらしい。

傍から見れば大層なちゃらんぽらん(実際そう)だが、一度きりの人生、楽しみ方はそれぞれである。ただし、家事全般を任せれば四人の中では速度、技術、質、全てにおいてピカイチ。花嫁修業が実を結ぶ日は来るか。

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長文テスト

長文テスト
双子と自機がおひるねしてる掌篇
#FF14



午睡


「おや」

 窓硝子を透かして射しそめる陽が、優しい橙を帯び始めたころのこと。所用を終えたアルフィノが拠点に戻ると、ソファにふたつ、寄り添う人影があった。
 手近な腰掛けに腕に抱えた荷物を下ろしてから近寄ってみれば、彼は幾度かまじろいだあと、目元と口元を撓ませる。
 かの光の戦士と、アルフィノの片割れであるアリゼーが頭を預けあい、手のひらを重ねてのどやかに寝息を立てていた。種族こそ違えど、常日頃から姉妹のように仲の良いふたりだから何ら不思議ではないのだが、とりわけ光の戦士は年がら年百絶えず働き詰めなので、休んでいる光景はなかなか珍しいものだ。
 アルフィノだけでなく、仲間たちの誰もが彼女に休息をとってほしいと願っている。だから、いつだって人がために得物を握る彼女がこうして安息を得ている様子は、心底安堵を覚えるものだった。

 書きかけの書類、インク瓶に斜めに刺された羽根ペン、絶妙なバランスで積まれた本と、空になったティーセットが広げられているテーブルの様子から見るに、片手間で話をしているうちに熱中して、そのまま眠りこけてしまったのだろう。アルフィノは微笑みを浮かべながら拠点の宿泊部屋に引っ込み、大判のブランケットを手に戻って来た。おひさまのにおいがする、洗いたてだ。広げると、その風圧で陽射しに透けるわずかな埃が舞う。華奢な体躯のふたりの肩をやわらかく包むように、ブランケットを掛けてやった。
 途端、むずがる子どものごとく唸って眉を寄せるアリゼーに、起こしてしまったかと心臓が跳ね上がる。が、すぐに元の安心しきった面差しに戻ったので、アルフィノはほっと胸を撫で下ろす。

「……作業の途中だっただろうから、ティーセットだけ片付けておくよ」

 じっと声をひそめて、極力音を立てないようトレーに茶器を乗せ、流しへと歩を進めた。 



 アルフィノが片付けを終えて客間に顔を出すと、ふたりをしっかりとくるんでやったはずのブランケットがもう腰元までずり落ちていた。それもそのはず、先程よりもいくらか寝相が変わっている。
 半ば仕方なさそうにする傍ら、アルフィノはどこかうれしそうな面持ちでそれを掛け直してやる。  

「ふふ……君たちときたら、夢の中でも冒険をしているのかい? 私も連れて行ってほしいものだね」

 英雄以前に一介の冒険者である光の戦士と活発なアリゼーは、よく連れ立ってあちこちに足を伸ばしていた。アルフィノはどちらかといえば室内を好む少年だが、それはそれとして、彼女たちをうっすらと羨ましく思ったのはいつの話だっただろうか。おそらくは、女性たちの時間を邪魔してはならないという線引きをしていたのもあるだろう。声をかけさえすれば光の戦士は嫌がる素振りも見せず手を引いてくれるだろうが、なんとなく引け目を感じるというものは誰にだってある。

 声量を落としているため、少なくとも二人を無神経に叩き起こす心配は少ないはずだ。そのまま立ち去ってもよかったのだが、そのときはなんとなく、その場に留まりたい気分が後ろ髪を引いた。あんまり穏やかなので、そののんびりとした雰囲気につられて歩みが鈍ったのかもしれない。
 出来うる限り繊細に気を払いつつ、光の戦士のそばに腰掛けてみる。やわらかくて質の良いソファーだったので、軋むことはなかった。無防備な姿を覗い見ることはどうにも憚られたが、きちんと眠れているだろうか、という心配が勝り隣へ視線を遣った。

 年相応のあどけなさを呈する寝顔が、そこにある。なんだか気抜けする心地を覚えて、アルフィノは背もたれに身を沈ませた。アリゼーの側にある深々とした目の傷はやはり心を痛ませるものだが、それでも、せめてこのひとときの間だけは、彼女が安らぎの只中にいるようにと願うばかりだ。
 赤ん坊の頃からすっかり見慣れたアリゼーだって、こんなに子どものように安心しきっている表情を見るのは久しぶりだ。アルフィノは今一度、胸を満たすささやかな幸福に笑声を零した。
 
 ふと、アルフィノは湧き出た小さな欠伸を飲み下す。目尻に滲んだしずくを拭うと、今度は先程よりも大きく口が開きそうになった。
 まろやかな陽射しと、すぐそばにある温もりたち。静寂の中にあるのは、規則ただしく刻まれる秒針と、時折空を横切る鳥のさえずり、外から仄かに伝わってくる呼び売りの声やチョコボの鳴き声だけ。
 襲い来る眠気と暫しの間戦っていたアルフィノ少年だったが、健闘むなしく、彼の意識は静かに途切れていった。



 肌を撫ぜゆく柔い冷気に意識を引き上げられ、光の戦士は瞼を開いた。記憶では先程まで昼ごろだった気がするのだが、いつの間にか日が暮れて、とっぷりとした闇が満ちている。随分と寝こけてしまったらしい。未だ靄のかかる思考を巡らせて時計をの居場所を探ろうとすると、ふいに両肩にかかる重みを感じ取った。
 なんだろうと疑問に思って見やれば、彼女はわあ、と吐息混じりの驚きを漏らす。実の弟妹のようにたいそう可愛がって見守っている双子たちが、自分の肩を枕にしてすやすやと目を閉じていた。
 あんまりかわいいのでいつものように二人まとめて抱きしめそうになったが、そこまで衝動的ではない。なんとか己を押しとどめ、彼女は乗り出しかけた身をおとなしく引いた。

「……おやすみ」

 祈りのように口にして、光の戦士はふたりを慈しみ深いまなざしで見つめる。

 それから、ふたたび目を閉じる。三人の夢路を、窓辺からさす月光が見守っていた。

 そののち、この光景を目の当たりにした仲間たちの間に微笑ましくて仕方なさそうな空気が流れたり、「わっ、私、そんなことしてないわ!! 絶対よ!! 知らないったら知らない!!」とアリゼーがすっかり赤らびたり、アルフィノが面映そうにしていたというが、それはまた別の話。
Syzygy / 惑星直列



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Aimeeさま
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